2022年度統計数理研究所重点型研究テーマ3「地図・メッシュ・位置情報データのデータベース作成・統合と高度利用」公開研究集会

2022年度統計数理研究所重点型研究テーマ3「地図・メッシュ・位置情報データのデータベース作成・統合と高度利用」公開研究集会

世界メッシュ統計の統合分析アルゴリズムの開発 (2022-ISMCRP-4301 

医療における時空間メッシュデータの利活用についての研究 (2022-ISMCRP-4302 

GIS空間情報を用いた森林における病虫害拡散予測とその制御 (2022-ISMCRP-4303

開催日時:2023年2月20日(月)11:00~18:00

場所:統計数理研究所(〒190-8562東京都立川市緑町10-3)

開催形式:対面およびZOOMによるオンラインのハイブリット形式

申し込み:https://forms.office.com/r/rnSSxjvzuV

【開催要旨】日本は,1976年,世界に先駆けて地理的メッシュ上での統計作成(メッシュ統計)という方法を提案し,統計情報と地理情報とを結合させたた.今日,地図・メッシュ・位置情報と統計情報やリモートセンシング情報を結合した地理情報システム(GIS)は経済社会の可視化ツールとして,学術,経営,政策の支援に無くてはならないものとなった.GISには,空間統計解析の機能が付帯しているものも多い.今日,スマートフォーンや自動車などの端末情報からの位置情報・移動情報なども結合可能となっている.この状況を鑑み,本重点領域の2022年度成果を発表する公開研究集会を開催する。 

協賛

JST未来社会創造事業超スマート社会の実現領域【異分野共創型のAI・シミュレーション技術を駆使した健全な社会の構築】「自律分散的世界メッシュ統計基盤アーキテクチャの設計と実証」(研究課題番号:2020 JPMJMI20B6、研究代表者 佐藤彰洋、研究期間:2020年度~) 

一般社団法人世界メッシュ研究所 

【タイムテーブル】

11:00-11:05開会の挨拶
11:05-11:35佐藤彰洋(横浜市立大学)
11:35-12:05檀 寛成(関西大学)
12:05-13:00 昼食
13:00-13:30和泉志津恵(滋賀大学)
13:30-14:00浅川達人(早稲田大学)
14:00-14:30眞木和俊(株式会社ジェネックスパートナーズ)
14:30-15:00西尾幸紘(株式会社メタ・イズム)
15:00-15:30小田島洋斗(横浜市立大学)
15:30-16:00伊高静(東京理科大学)
16:00-16:30岡 檀(統計数理研究所)
16:30-17:00中村淑子(DRONE PEAK)
17:00-17:30塚田 知輝(株式会社東京地図研究社)
17:30-18:00村上大輔(統計数理研究所)
18:00-18:05閉会の挨拶

【講演一覧】

11:00-11:05  開会の挨拶 佐藤彰洋(横浜市立大学)・村上大輔(統計数理研究所)

セッション1 座長 村上大輔(統計数理研究所)

11:05-11:35

佐藤 彰洋(横浜市立大学 教授)

題目:世界メッシュ統計の統合分析アルゴリズムの開発

概要:MESHSTATS上で開発を行っているAPIとアプリケーションの事例を複数の分野について紹介する。MESHSTATSは世界メッシュコードに基づく全世界メッシュ統計用データ利活用基盤であり、複数種類のメッシュ統計を利用できるAPIとアプリケーション群から構成されている。インターネット経由で分散的環境でメッシュ統計を相互利用できる分散基盤として研究開発をすすめている。本研究では、位置情報付データ基にメッシュ統計を半自動で生成する変換器、ハザードマップ画像情報をもとにしたメッシュ統計生成変換器とそのアルゴリズム、生成したメッシュ統計をWebデータアプリケーションとして可視化、分析するアプリについて紹介する。さらに、MESHSTATS上に構築した複数アプリケーションプログラムについて、災害分野、観光分野について、事例紹介を行う。

11:35-12:05

檀 寛成(関西大学 環境都市工学部 都市システム工学科 教授)

題目:最適化技法を用いたレーザスキャン計画の立案

概要:3 次元レーザースキャナとは,スキャナからレーザーを射出し,その反射光がスキャナで感知されるまでの時間を計測することで,射出方向にある物体までの距離を計測する装置である.このような計測原理のため,大型構造物を計測するためには,対象領域全体をカバーするように複数箇所からスキャンする必要がある.本発表では,最適化技法を用いて,対象を効率的にスキャンするための計画を立案する手法を紹介する.

12:05-13:00 昼

セッション 2 座長 佐藤彰洋 (横浜市立大学)

13:00-13:30

和泉 志津恵(滋賀大学)

題目:「大学生のための医療統計学」教育プログラムにおける医療メッシュ統計の活用

概要:本講演では、「大学生のための医療統計学」教育プログラムにおけるメッシュ統計の活用事例を紹介する。教育プログラムのPBL演習では、健康保険組合の匿名加工された医療ビッグデータを主に用い都道府県別の統計データやメッシュ統計も活用する。2022年度前期では、まず、MESHSTATSアプリケーションアイデアソン2022において、SDGsの目標の中の目標11:「住み続けられるまちづくりを」をテーマにして都市の社会課題解決を目指すMESHSTATS用のアプリのアイディアをゼミの学生らが提案した。次に、横浜市立大学サマーデザインワークショップ2022において、「WITHコロナ時代の医療機関の建設要件デザイン」の企画をゼミの学生らが提案し企画が採択された。オンラインで実施したOne-Dayワークショップでは、時空間メッシュデータが活用可能な事例や場面を検討し、地理情報・32診療科別医療機関数・人口・年齢を含むサンプルデータを作成し、簡便なデータ解析の結果を報告した。横浜市の病床数メッシュ統計も神奈川県オープンデータからMESHSTATSに追加された。過去の教育プログラムの実施状況については、次のHPを参照いただきたい。https://www.ds.shiga-u.ac.jp/news-faculty/p6932/

13:30-14:00

浅川 達人(早稲田大学 人間科学学術院人間環境科学科)

題目:社会地図で描き出す三大都市圏の社会空間構造

概要:本研究の目的は,「複合的競争」段階にある今日の三大都市圏の社会空間構造について,同じ変数と同じ分類基準を用いて社会地区分析を行い,各都市圏に固有の地域類型が析出されるか否かを明らかにすることにある.データには2015年国勢調査および2014年経済センサスを用い,表章単位には第3次メッシュを用いた.国勢調査および経済センサスのいずれについても,12クラスターが最適解として析出され,特定の都市圏にのみ存在する地域類型は見出されず,三大都市圏に共通する地域類型が得られた.都市圏ごとに各地域類型の構成比は異なっており,それがそれぞれの都市圏の社会空間構造の特徴をなしていることがわかった.クラスター分析を用いて行われた社会地区分析から得られた地域類型は,近隣住民の社会的特性の複合指標である.したがってこの地域類型は,複合的な観点から得られる社会的特性を共有する住民が居住している地理的範囲を可視化したものと捉えることができる.(なお本報告は、数理社会学会機関誌『理論と方法』第73号(2023年3月刊行予定)の特集論文として掲載される論文に基づいて行う予定である)

14:00-14:30

眞木 和俊(ジェネックスパートナーズ 代表取締役会長)

題目:「MESHSTATSのススメ」

概要:今後MESHSTATSのさらなる用途拡大を考える上で、どのような統計情報を可視化し、実務的に有用な仮説を得ていくのか、という論点で検討考察する。想定ユーザーの利用目的に応じて、具体的に何を可視化することが適切といえるのかを経営コンサルテーションの視点から提言を試みたい。

14:30-15:00

西尾 幸紘(株式会社メタ・イズム 代表取締役)

題目:世界メッシュコードの拡張規格とメタ情報に関する規格案について

概要:任意サイズでのグリッドスクエアを用いた計算の需要が拡大しています。弊社で用いている世界メッシュコードの拡張方法および、拡張ルールをご紹介するとともに、規格化の案をご提案します。1つ目は、グリッドスクエアのサイズを表現するためのメタ情報の規格について。2つ目は、異なるグリッドサイズ間の互換性のルールについて

15:00-15:30

小田島 洋斗(横浜市立大学)

題目:メッシュ統計を用いて分類誤りを考慮したSDGs15.1.1の指標推計

概要:全世界的な2030年までの持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)には17のゴールと169のターゲット、248(重複を除くと231)の指標が設定されている。その中でゴール15「陸の豊かさを守ろう」のターゲットSDG15.1を軽量する目的で、SDG15.1.1がある。これは対象とする土地全体に対する森林の割合として定義されている。 SDG15.1.1は公的統計による計測が多くの国では可能とされているが、衛星画像から生成される土地利用被覆図のうち、森林と非森林の2値分類が得られたとすると、任意の場所においてその値を決定することができる。しかしながら、一般に機械学習アルゴリズムによる自動分類においては、分類誤りが生じ得る。この混同行列を使い、衛星画像から生成される土地利用被覆図をもとに補正した、SDG15.1.1の指標を推計する。

15:30-16:00

伊高 静(東京理科大学 理工学部 経営工学科)

題目:ナラ枯れ拡散とその制御

概要:森林における病害・虫害・獣害等の拡散を把握・予測・制御するための一連のプロセスを、汎用的な手法として提案することを目指して研究を進めている。日本における森林被害の代表格である「ナラ枯れ」を事例に、その病害拡散のモデリングや、拡散制御のための装置の配置について、これまでの研究の経過ついて話したい。さらに、現場と関わることの難しさや、実際の現場における取り組みについても紹介する。

16:00-16:30

岡 檀(統計数理研究所)

題目:社会疫学における環境特性の測定;「路地」の推定と検証、自殺率との関係

概要:社会疫学という領域では、集団において頻発する心身の健康問題を、生活環境との関係から考察する。ある環境特性が健康に影響をあたえているという仮説を実証するためには、その環境特性を正確に測定し、指標化する必要がある。演者はこれまで、市区町村ごとの地形や気候といった自然環境、また、道路形状や家屋の密集度といった空間構造特性を指標化して解析に実装し、その地域の自殺率にあたえる影響について検討を行ってきた。本研究では「路地存在率」と自殺率との関係について報告する。

16:30-17:00

中村淑子(DRONE PEAK データアナリスト)

題目:ドローン技術で挑む地方の課題解決・いわてからのレポート

概要:東北地方におけるドローンの活用は、農薬散布、橋梁点検、地形調査のための空撮に加え、災害対応や遭難者捜索、獣害調査等に範囲が拡大している。また県による森林GISの整備が進められているところであり、今後ドローンによる森林調査の需要も増加すると期待される。最先端のドローン技術で地域の課題解決に取り組む岩手のドローンスクールの活動を紹介し、現場のニーズについて話題を提供したい。

17:00-17:30

塚田 知輝(株式会社東京地図研究社)

題目:WebGISを活用した鉄道運行情報の視覚化と災害時社内BCP対応への応用

概要:昨今頻発する自然災害に対し、災害情報をWebGIS上に可視化し、初動対応に役立てる取り組みが増えている。弊社ではWebGISを活用し、WEBサービス上から収集した鉄道運行情報をGISデータと紐づけ、鉄道運行状況をリアルタイムかつ網羅的に地図上に視覚化するシステムを開発した。さらに本システムと従業員の安否確認システムを連携させることで、社内BCP対応に活用しており、今後災害対応時のプラットフォームとしての応用が期待される。

17:30-18:00

村上 大輔(統計数理研究所)

題目:時空間モデリングによるCOVID-19の要因分析

概要:COVID19の感染拡大要因や各種対策の影響評価を行うことが、有効な対策を検討する上で求められている。しかしながら、陽性者や死者数は不確実な上、それらに影響を及ぼしている要因は無数に考えられ、その特定は容易ではない。そこで本研究では、最初に不確実なデータを柔軟にモデル化する時空間回帰手法を説明する。次に、同手法を用いて通勤、世代構成、人口集中といった各種要因が陽性者数に及ぼした影響を分析する。

18:00-18:05  閉会の挨拶 佐藤彰洋(横浜市立大学)・村上大輔(統計数理研究所)


統計数理研究所 2023年2月20日

お問い合わせ:
横浜市立大学データサイエンス学部 佐藤彰洋
https://www.fttsus.jp/sato-lab/contact/