2023年度第2回統計数理研究所共同利用研究集会「世界メッシュコード研究会」

2023年度第2回統計数理研究所共同利用研究集会「世界メッシュコード研究会」(2023-ISMCRP-5007)

開催日時:2024年3月18日 (月)11:00~18:00 

場所:統計数理研究所(東京都立川市緑町10-3)セミナー室5

開催形式:対面およびZOOMによるオンラインのハイブリット形式

申し込み:https://forms.office.com/r/jC9g5sSUMs

開催要旨:世界メッシュコードおよび世界メッシュ統計を用いた応用、利活用法の開発、関連分野紹介、応用と利活用事例の発掘とそれにかかわる議論を行うために研究集会を開催する。メッシュ統計作成を可能とする位置情報付き源データ、メッシュ統計データプロダクトの紹介、メッシュ統計を他データとともに利用した利活用事例、メッシュ統計の品質評価方法、データ分析方法を取り扱う。その他、現在はメッシュ統計やデータ利活用とは直接的に関係していないが利活用に関心を持つ現場におけるニーズを広く集めるため、企業や行政における活動紹介の発表も想定する。更に、主たる講演をインプットとしてデザインワークショップを後半に併催することにより、発表を行わない参加者も同様に世界メッシュ統計に対する知見を深められるように配慮し、聴講以外のインタラクティブな手段により世界メッシュ統計に関する学習を可能とする機会とネットワーキングの場を提供する。

       講演者(所属)
11:00-11:05開会の挨拶 椿広計(統計数理研究所 所長)/ 佐藤彰洋 (横浜市立大学DS学部 教授)
11:05-11:351⃣ 佐藤 彰洋(横浜市立大学大学院データサイエンス研究科データサイエンス専攻)  
11:35-12:052⃣ 加藤 茂博 (株式会社リクルート)
12:05-13:30昼休憩
13:30-14:003⃣ 眞木 和俊  (株式会社ジェネックスパートナーズ)
 
14:00-14:304⃣ 長尾 伸一(総務省統計研究研修所)
14:30-15:005⃣ 奥村成吾(モノワイヤレス株式会社 取締役副社長)
15:00-15:30休憩
15:30-16:006⃣ 原田 知親(山形大学工学部 情報・エレクトロニクス学科)
16:00-16:307⃣ 浅川 達人(早稲田大学)
16:30-17:008⃣ 西 文彦(横浜市立大学/(公財)統計情報研究開発センター)
17:00閉会の挨拶 岩崎学(統計数理研究所 特任教授)/ 佐藤彰洋 (横浜市立大学DS学部 教授)

講演者:佐藤 彰洋様(横浜市立大学大学院データサイエンス研究科データサイエンス専攻)
講演題目:メッシュ統計の国際標準化の取り組み
講演概要:現在、ISO/TC 69/SC 8/WG 3で取り組んでいるメッシュ統計の国際標準化活動について、その内容を紹介します。また今後の国際標準化活動の計画について説明します。


講演者:加藤 茂博様(株式会社リクルート)
講演題目:少子化のもたらす人材供給制約性が事業最適地選定や事業計画にもたらす影響~個人情報利活用のプライバシー保護とパーミッションマーケティングの新たなモデルの研究貢献可能性について~
講演概要:加速度的な人口減少の結果多くの企業が事業の「持続可能性危機」に晒され、これまでの関心事項だった「需要予測」に代わり、「人材調達可能性」を最優先経営課題に押し上げた。しかし、ゆっくりと静かに進行する人材採用リスクは十分認識されておらず、正しい経営判断を行うことを難しくしている。本研究では、企業経営判断に不可欠な「人材調達リスク」を人的資本データを活用して可視化し企業の持続可能性を高める計画を支援する。また、本研究に必要な守秘性の高い「人事データ」の活用を可能とするため安全性に配慮したパーミッションマーケティング型研究モデルを開発したことを説明する。


講演者:眞木 和俊様(株式会社ジェネックスパートナーズ)
講演題目:位置情報としての郵便番号の可能性
講演概要:2023年にmeshstats用アプリとして公開された「郵便番号メッシュコンバーター」の有用性と応用について検討した。
既に同様の機能はデジタル庁が定義する「アドレス・ベース・レジストリ」において「登記所備付地図データ変換コンバータ」が推奨されているが、一般に使いにくいとの評価があるため、より簡便に使える優位性について検証を行った。


講演者:長尾 伸一様(総務省統計研究研修所)
講演題目:可処分時間に関する地域メッシュ統計の作成方法及び活用事例の研究 
講演概要:可処分時間に関する地域メッシュ統計を作成するために、社会生活基本調査(総務省)の結果から1人あたり可処分時間を推計し、これを地域メッシュ統計の年齢階級別人口を重畳することで地域ごとの可処分時間を推計する方法を紹介する。 更に、作成した可処分時間に関する地域メッシュ統計を活用した地域課題を解決するための方法を提案する。今回は、広島県にある介護施設の地理的情報と当該施設で働く職員の意識や入職・離職に関する情報などとの関連を明らかにすることを目的として、当該メッシュ統計を新たな分析の材料として提供することを提案する。


講演者:奥村 成吾様(モノワイヤレス株式会社 取締役副社長)
講演題目:TWELITE(トワイライト)無線モジュールを用いた実装実験の結果とその課題
講演概要:モノワイヤレスが製造・販売するTWELITE(トワイライト)無線モジュールを用いたセンサーネットワークへのメッシュコードの利用を目的として、WiFi接続を行うゲートウェイ装置TWELITE SPOTを用いた実験を行った。また、今後TWELITE無線モジュールが直接メッシュコードを用いるための試験的な実装を行い課題等を抽出した。


講演者:原田 知親様(山形大学工学部 情報・エレクトロニクス学科)
講演題目:睡眠解析に向けた複数センサによるデータ収集システムの開発およびそのデータ抽出・分析
講演概要:本発表では、次元・時間軸の異なる複数のセンサを用いて計測するIoTシステムの開発と、睡眠や日中の活動量解析等への適用について講演する。


講演者:浅川 達人様(早稲田大学)
講演題目:フードデザート(FDs:食の砂漠)問題の現状と課題
講演概要:飽食の時代といわれているにもかかわらず、安価な生鮮食料品を手に入れることができず、低栄養状態となり、健康被害の危険に晒されている方(主に高齢者)が少なくない。この問題はこれまで、食料品へのアクセスの問題としてのみ捉えられ、買い物難民や買い物困難問題として捉えられてきた。しかしながら、この問題は、食料品へのアクセスと社会関係資本(相互扶助システム)の二つの側面から引き起こされると捉えるべきであり、我々はこの問題をフードデザート(FDs:食の砂漠)問題と捉えている。FDsエリアがどこにあるかを明示するための方法の一つが社会地図である。本講演ではこの問題の現状と課題について話題提供したい。


講演者:西 文彦様(横浜市立大学/(公財)統計情報研究開発センター)
講演題目:地域メッシュ統計からみた福島第一原発周辺地域への人口回帰の状況
講演概要:2010年、2015年及び2020年国勢調査に関する地域メッシュ統計を利用して、
まず、2011年3月に発生した福島第一原発事故による周辺地域の2010年から2015年にかけての人口減少の状況をみる。
次に、2015年から2020年にかけての人口回帰の状況をみる。
また、原発からの距離によって、人口回帰の状況に違いがあるか、などをみる。